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昔も今も梅干といえば、体にいい!と言われています。
イメージは分かるんだけど、本当のところはどうなの?
医学的、科学的な視線から、梅干と健康の関係を紹介します。


驚異の梅干6大パワー
 和歌山県立医科大学の医学博士「宇都宮洋才(ひろとし)」先生との共同研究で、
「驚異の梅干6大パワー」が解き明かされました。
 宇都宮先生の語る「梅干6大パワー」とは!?その全貌を紹介!

和歌山県立医科大学
宇都宮洋才先生
<宇都宮洋才先生略歴>

医学博士。
専門は病理学(細胞生物学、人畜共通感染症学)、わかやま学。1963年生まれ。大分県出身。東海大学大学院博士課程修了。和歌山県立医科大学助手を務めた後、米国バンダービルド大学に留学。高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発生メカニズムを研究。現在、和歌山県立医科大学講師。

<著書>
キクロス出版 「梅干でぐんぐん健康になる本」


ご存知ですか?
日本人の死因の約6割は、
生活習慣病によるものなのです。
厚生労働省発表の「人口動態統計」(2004年)によれば、日本人の3大死因は、がん、心疾患、脳血管障害で、日本人の死因の約6割がこれらによって占められています。そして、この多くが生活習慣病です。でも、梅干を食べることで、これらの生活習慣病を防ぐことができるとしたら・・・・?


(1)胃ガンの抑制
ヘリコバクターピロリ菌は、ヒトの胃の中で生息できる細菌です。ピロリ菌は胃粘膜に感染すると免疫力だけでは排除されず、粘膜に持続的な炎症が引き起こされます。長期にわたる炎症により粘膜は荒廃し、将来的な胃ガンの発生母地となります。我々は梅の中に、ピロリ菌の増殖抑制や胃粘膜への感染防御に有効な物質を見出しました。その有効成分として、シリンガレシノールという梅リグナンの一種も明らかにしました(特許番号:第4081678号)。
Biological & Pharmceutical Bulletin 29:172-173 (2006)
Asian Pacific Journal of Cnacer Prevention 6:337-41 (2005)
Natural Product Research 17:319-23 (2003)
厚生労働省がん研究助成金による研究報告書 (平成13〜16年度)より

梅でヘリコバクターピロリ菌は、
変形して運動能を無くしました。

(2)食中毒から身を守る
 梅は、黄色ブドウ球菌や病原性大腸菌O-157と言った食中毒菌の増殖を抑制する作用があることが我々の研究で明らかになりました。
梅加工品の医学的評価 治療 83:156-157 (2001)より

(3)動脈硬化を抑える
 梅にはアンギオテンシンIIによる動脈硬化の発生を抑制する作用があることが我々の研究で明らかになりました。
Life Science 72:659-667 (2002)より

(4)血液サラサラ
 ドロドロ血液の正体は血液中の脂質です。これが血液中に多くなると高脂血症になりドロドロ血液になると言われています。梅干はこのドロドロ血液をサラサラ血液にすると言われています。

(5)糖尿病を防ぐ
 梅を肥満糖尿病モデルラットに投与すると体重が減少し、血糖が低下することが明らかになりました。この梅の血糖低下作用成分は梅に含まれるポリフェノール類が関与しているのではないかと考えられています(特許出願中)。
Biomedical Research 26 193-200 (2005)より

(6)抗酸化で毎日元気
 活性酸素はがんや生活習慣病を引き起こす原因と言われています。梅干には、この過酸化反応を消去する抗酸化作用があります。
Life Science 72:659-667 (2002)より

梅干と塩分の関係
 梅には塩分がある。高血圧を心配される方はどうしても塩分を敬遠がち。
 梅に含まれる塩分と血圧の関係について調べたところ、梅干は高血圧化を抑える働きがあることが明らかになりました。

モデルラット、各グループに、それぞれの餌を与えた場合

梅を与えたC・Dグループは血圧の抑制が見られることが分かった。

梅干と食事の関係

<はじめに>
 人間の体を形づくっている骨格、組織液、歯、血液の中にはカルシウム、燐(りん)、水、鉄分などといった鉱物性の栄養素が含まれています。ミネラルと呼ばれるこの栄養素が不足すると、人間の体はバランスをくずし、いろいろな病気を引き起こします。梅にはそのミネラルが豊富に含まれています。たとえば、リンゴに比べて、梅の実に含まれるカルシウムは4倍、鉄は6倍、マグネシウムや亜鉛も梅の方が多いのです。
 唾液は食べ物の消化を助けます。いろいろな食べ物でも梅干は唾液を出させる効果が高い食品で、梅干を食べた時の唾液が実は重要な役割を持っているのです。


<アミラーゼの働き>
 梅干を食べた時に出る唾液中にはアミラーゼという酵素が含まれています。このアミラーゼは消化酵素の一種で、エネルギー源となるご飯やパンなどに含まれるでんぷんの消化を助ける重要な役割をします。

<カタラーゼの働き>
 唾液にはアミラーゼの他にもカタラーゼという酵素が含まれています。このカタラーゼが今最も注目されている梅干パワーなのです。怪我をした時、外傷にオキシフルをつけると泡が出ます。これがカタラーゼの作用です。カタラーゼは過酸化水素を水と酵素に分解する触媒の酵素です。私たちの体内で生じる活性酸素の毒性を抑える働きをしてくれます。動物や人間にとって必要なはずの酸素がどうして癌や心臓病、老化の原因となる活性酸素になるのでしょう。
 私たちは空気中の酸素を体内に取り入れて酸化によって得たエネルギーを利用して生命を維持しています。この酸素が活性を持った酸素種に変化したものを活性酸素と呼びます。活性酸素は細菌を殺してくれる反面、多くなりすぎると体内の最細胞を攻撃してしまいます。大気汚染、電磁波、ストレスなど現代社会の様々な現象は活性酸素を生みやすくしています。この活性酸素の発生を抑えるカタラーゼを出す梅干は、適切な抗酸化食品と言えます。


<クエン酸の働き>
 おにぎりに梅干を入れたり、日の丸弁当にすると腐りにくいことはよく知られています。梅干に含まれているクエン酸やベンズアルデヒドに微生物の繁殖を抑える効果があるからで、お腹の中で胆汁の働きを活発にさせて、腸炎ビブリオ菌という食中毒の原因になる菌を殺してくれます。梅干が酸っぱいのはクエン酸によるものです。体内でエネルギー源を燃やしてエネルギーにする回路をクエン酸サイクルと呼びますが、クエン酸がこのサイクルの働きを活発にし、疲労の原因となる乳酸の蓄積を防ぎます。疲労回復に効果的なクエン酸は、体内のカルシウムの吸収をよくする働きもあります。骨の弱い子供や高齢者のカルシウム不足にも梅干がよいわけです。


<梅は酸性?アルカリ性?>
 食生活はバランスが大切です。ビタミンやミネラルなどの栄養成分をとるばかりでなく、酸性食品とアルカリ性食品の割合に気を配る必要があります。現代は西洋化した食生活やインスタント食品、加工食品の多様化によって昔に比べて酸性食品が多くなっています。酸性食品には米やパン、肉、魚など私たちが日常口にしやすい高カロリーの食品がほとんどです。逆にアルカリ性食品は野菜や海藻など調理を必要とする食品が占めています。急速化、簡素化をしている食生活が酸性食品を増やしているようです。
 人間が健康でいるためには体液(血液や細胞液)が弱アルカリ性に保たれている必要があります。体液が酸性化すると血が黒くにごり、排泄障害、内臓機能の低下、慢性病などになりがちです。体のためにはアルカリ性食品を食べて、酸性を中和させる必要があります。梅干はすっぱいので、酸性と想像されがちですが、れっきとしたアルカリ性食品です。

<牛肉をアルカリ性食品で中和するには>
 人間の正常な状態の体液は、ペーハー7.4位の弱アルカリ性です。前述したように酸性食品に偏った現代人の食生活は腎臓の機能を低下させ慢性病につながる危険性があります。酸性化を防ぐためにはアルカリ性食品で中和させなければなりません。例えば酸性の強い牛肉を100グラム食べるとアルカリ性のきゅうりは900グラム必要です。ところが梅干ならばたった5グラムの量で中和してくれるのです。まさに「健康は一日一粒の梅干から」と言えそうです。

言い伝え「梅と健康」

<梅干についての故事・古文書>
時期故事・書物関係人物内容・概要
平安時代申年の梅村上天皇都に悪疫が流行、梅干とコンブの茶で村上天皇の病気が回復する。
この年が申年だったため、以後、「申年」の梅は縁起がいいと言われるようになる。
平安時代「医心方」丹波康頼(医師)六朝・随・唐時代の中国や朝鮮の医薬書から引用した医学全般の書物に梅干の効用が記載されている。
室町時代「食物服用之巻」「梅干は口に酢がたまるので、人の前でもむせない」と記載されている。
室町時代「今川大双紙」「梅干をみれば口の中に唾液が出て物にむせない」と記載されている。
江戸時代「雑兵物語」戦に明け暮れる武士は、食料袋に「梅干丸」を常に携帯していたと記載されている。息切れを整えたり、生水を飲んだ時の殺菌用に役立ったとある。
江戸時代「和漢三才絵図」烏梅が、「脾、肺二経の血分の薬である」と記載されている。
江戸時代「和方一万方」「血便に梅干を黒焼き、粉末にして用いる。水虫に梅干、里芋、銅のやすりくずを合わせ付ける」と記載されている。
江戸時代「諸国古方秘伝」「腸炎には、青梅を擦り、搾り汁を天日に干してねり薬にする」と記載されている。
江戸時代「古方薬議」烏梅が「熱を下げ、下痢や口の乾き、タンを止める」と記載されている。
明治時代梅肉エキス築田多吉(軍医)日清戦争当時、外地で伝染病にかかった兵士に梅肉エキスを与えて完治させる。
大正時代「赤本」梅肉エキスの効能が記載されている。


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